国際政治学と国際関係論の違いとは?

 

国際政治学、並びに国際関係論と呼ばれる分野はしばしば混同されがちです。ただ、実際は両者には微妙に違いがあります。個人的には、二国際政治学と国際関係論の違いとは?つの学問のルーツ(派閥)が違うと考えているのですが、今回はそんな国際政治学と国際関係論の違いについて、解説していきます。

1. 国際政治学とは?

国際政治学とは、国家間で発生する外交上の問題、並びに国際社会全体の問題を政治学的な視点から分析する学問です。国と国との間で発生する政治的な問題は、そのほとんどが戦争、紛争に繋がるリスクをもっているため、国際政治学は戦争の原因と過程、結果を分析する学問とも言えます。

国際政治学において、分析を行う際は主に2つのアプローチがとられます。1つは、理論的アプローチで、もう1つは歴史的アプローチです。それぞれのアプローチについて確認していきましょう。

1-1. 理論的アプローチ

理論的アプローチでは、国際政治を支配しているであろうルールを規定して、そのルールに沿って国家がどのように行動するかを分析します。いわゆるリアリズムやリベラリズムといった政治理論を当てはめるわけです。

最近では、国際政治の理論にゲーム理論が台頭してきて、国際政治理論にも数学的な思考が導入されつつあります。

1-2. 歴史的アプローチ

歴史的アプローチてば、外交や戦争の歴史から、帰納的に国際政治や国家間の関係を分析します。歴史的アプローチに重点を置く国際政治学はしばしば国際政治史、外交史とも呼ばれています。

史学と学問範囲が被るため、差別化するために国際政治史、外交史では一次資料の徹底した分析が必須となっています。

2. 国際関係論とは?

国際関係論とは、政治学、経済学、社会学、心理学、史学などありとあらゆる人文社会科学を導入して、国家間で起こる諸問題を分析する学問分野です。日本に国際関係論という分野が確立され始めたのは、太平洋戦争が終わった後です。東京大学が国際関係論確立の発起人となり、学際的な学問としてスタートさせました。

国際関係論が扱う問題は多岐にわたります。戦争・紛争問題はもちろんのこと、経済格差や安全保障、ジェンダー問題、地域研究など挙げればきりがありません。それだけ、様々な方向にベクトルを向けている学問であると言えます。

3. なぜ国際政治学と国際関係論は混同されやすいのか?

 

国際政治学と国際関係論が混同されやすい理由として、両分野で重なる箇所があることがあげられます。国際関係論の枠のなかで、政治学的なアプローチを取っている人は、国際政治を扱っている人と分野が被ります。分析方法も、そこまで違いはありません。強いて違いを言うのであれば、国際政治学は政治的な観点から、国際関係論は政治以外の観点にも触れながら分析を行う、という点です。

ただ、やっていることは外から見れば似たようなものなので、国際政治学と国際関係論が混同されてしまう原因になっているのだと思われます。

4. 国際関係論を学問として認めていない?

国際政治学者の中には、国際関係論を学問分野として認めていない人もいます。他の学問から理論や知識を借りているだけで、「国際関係論」としてのオリジナルの理論がないと批判しているのです。国際関係論を扱っている学者からすると、「そもそも国際関係論は、学際的なものであるから、単一の理論をもつ必要がない」としています。東京大学が、国際関係「学」ではなく、国際関係「論」として確立させたのも、このような認識かあったからだと考えられます。

5. まとめ

国際政治学と国際関係論は、厳密にいうと同一の分野ではありません。ただ、重なる箇所があるのも事実であり、多くの人が両者を混同してしまう理由となっています。

今後、もし国際政治学、国際関係論に触れる機会がありましたら、2つの違いに注意した上で、考察を深めて欲しいと思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です